野村潤一郎 オフィシャルブログ

被災地から帰還しました



 


 


 


 


水陸両用・水難救助艇
アンフィレンジャー3号の高機動力を
駆使した動物の救護、
および救援物資の
輸送を行いました。

この機体は500キロの貨物を
積んだまま自力で進水および
上陸が可能です。

海上を20ノットで航行し
陸上では四輪駆動車として悪路を
ものともせずに進みます。

今回は福島原発を中心に
海岸線を南から北に移動しました。

午前6時から翌・午前27時までの
21時間を無休で活動しました。

実際に現地の危険地帯を経験した
私の感想としてはテレビや雑誌の報道の
味付けが少々偏っている気がしました。

被災地域が非常に広範囲なため
スポットが当たった場所だけが
強く印象に残ってしまうのでしょう。

悲惨な場所とそうでもない地域が
アトランダムに点在していました。

原発周辺は元々
あまり人家がありません。

漁港のまわりや港町については
家屋の倒壊など皆さんが
ニュース等で御存じのように
その被害は甚大でした。

①道路は亀裂が多いものの
 清掃が進み瓦礫は少なかった

②被害は海辺に集中し、
 高台より内陸方面はのどかだった

③人間の姿が
 まったく見られなかった

④放浪猫以外の
 動物の姿は見られなかった

⑤避難所にも
 動物の姿はほとんどなかった

⑥避難所で生活している人たちの
 人数は減少傾向にあった

⑥強い放射能の分布は
 地域によってむらがあった

⑦港町の家屋損壊については
 ニュース映像のとおりだった

置き去りにされた
動物たちはほとんどが死んで
しまったのでしょうか。

犬たちに関しては元々が
集団性の動物ですから
群れになって移動し、
今もどこかで身を寄せ合って
生きている可能性があります。

現在避難所で
避難されている方たちも
動物に興味がある人は
あまりいませんでした。

たとえば野ざらし係留の
犬に対して屋外犬舎の設置を
望む飼い主さんは私の巡回した
地域ではいませんでした。

文化の違いがありますから
こんな有事の際に
被災者の皆さんに東京流の
動物愛護を押し付けるのは
酷であると判断しました。

震災発生から四週間経過
していることもあり状況は
刻々と変化していますから
私たちが行うべき支援も
フレキシブルに対処するべき
ですね。

被災地の人間の方たちが
一番求めているものは
家とお金と今まで通りの仕事、
そして原子炉事故の終息
ではないでしょうか。

これで終わらず第二弾、第三弾と
活動は続ける気持ちです。

★御注意
私が短い時間たった一人で
駆け回ったところで全てを
把握することはとうてい
できませんので
このレポートはあくまでも
参考程度にしてください。