野村潤一郎 オフィシャルブログ

結実!オリーブ

病院のテラスにある

十二本のオリーブが結実しました。

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長くて寒い冬を耐え、

初春に新芽を芽吹かせ、

梅雨空に花開き、

残暑の中で今も成長中です。

緑の実はやがて赤く色づき

赤から紫に変化し

晩秋には良質のオイルを

沢山含んだ黒い実になることでしょう。

このように植物でさえ

長い時間をかけて

地道に成果を出すというのに

“物事には必ずプロセスがある”

という現実を認識できず

“他人の今”ばかりを

いつも気にして生きているなんて

非常に悲しいことですね。

“そこにあるもの”は

突然現れたわけではないのです。

逃げることなく

過酷な日々を受け止め続け、

辛い経験を全て自身の栄養に変換し

それを吸収成長してきた努力の結果です。

場合によっては

誰もが持っている当たり前の何かを

いさぎよく手放して両手を空にしないと

必要なものがつかめないこともあります。

これらは死にたくなるほど

嫌な作業ではありますが

強く大きくなるには

絶対に避けて通ることはできません。

そんな数多の試練の賜物として

各自の今という瞬間があるのです。

なぜ辛い気持ちに打ち勝ってまで

己を高めなければならないのか。

他人の幸せを願う心の余裕を生むためです。

優しい気持ちを維持するためです。

これらの考え方は結果的に

人生を存続させる力となります。

自分のことだけを考えながら

ずるがしこく振る舞う人が

利口だと思ったら大間違いです。

生きることは

“生かされること”だからです。

生かされるためには

誰かのために身を削り、命を消耗させ、

人生時間を売らなければなりません。

誰の役にも立たない者は

誰にも必要とされないから

誰も助けてくれなくなるのです。

自身が生き延びるために

他人のために消耗する。

いささか矛盾する理論ではありますが

それが世の理というものです。

頻繁に遭遇する理不尽な出来事を

肥しにして強くなりつつ

己を殺し続けなければ生きられないなんて

辛くて悲しくて絶望的ではありますが

文句を言ってもどうにもならず

頑張るしか道は無し。

もう一度オリーブの話に戻ります。

オリーブはなぜエネルギーを費やし

地道な成長過程をいとまず、

利用価値の高い栄養豊富な実を

つけなければならないのか。

それは利無くして種だけをばら撒く

“疲れるだけの手伝い”なんか

誰もしたがらないからなんです。

だから本体が枯れるかもしれない

大きなリスクをおいつつも

長い時間をかけて成果を出し続け

周囲に幸せを提供しているのです。

そうしている限り

みんなが笑顔で支えてくれるわけです。

つまりそういうことですよ。

★教訓其の壱

筋肉は一夜にしてならず。

血を吐き、血尿を垂らしながらの

猛烈トレーニングの歴史がある。

★教訓其の似

強い筋肉が無ければ

他人の荷物を持つ優しさと

心の余裕が生まれることはない。

★教訓其の参

筋肉が無い荷物運び屋なんか

誰も必要としないから

誰からも大切にされない。

ヒント

「筋肉」をいろいろなものに置き換えてみると

さらに深い意味に気が付くことができるかもしれません。