真夜中の手術
こんにちは、野村潤一郎です。
重い病気の手術の依頼は数多く、毎日行っています。
昨日は眼球を押し出す腫瘍を頭蓋骨から摘出し、義眼を入れました。
今日は腕の骨二本を骨折した子が来ましたので
骨にドリルで穴を開けて合金の板をボルトで締めて整復しました。
で、そんなこんなで病院が終わって真夜中になると
手術着からツナギに着替え、
クルマたちの手術が始まっちゃったりするのです。
はい、今回も仕事とは無関係の話題です。
コーヒーブレイクですから。
先日、愛車たちの仲間入りをした初代マセラテイ・ギブリ4.9は
45年前のスーパーカーですからあちこち痛みもあります。
今日は傷だらけのドアハンドルを交換しましょう。
イタリアから送られてきた新品のドアハンドル、
しかし問題があります。
これをポン付けした場合、
左右のドアでキーが違ってしまうのです。
対策はのちほど。
ドアハンドル関連部品は数多く、
プッシュボタン、鍵部分、室内側ロックレバー、室内側ドアオープナー、
ドアのキャッチオスメスなどがあり、そのバランスはけっこうデリケートです。
ドアの内貼りを外します。
芯に鉄を使っているので重いです、
この時代のスーパーカーは鉄と本革の含有率が高くて
モノとしてのデキが良く、本当に重厚ですね。
プラスチック製のパーツはウインカーレンズくらいです。
内貼りを外してみると早くも問題が!
ドアインナーのウェザーシートがめくれて
パワーウィンドウのギアに噛み込まれていました。
ブチルゴムを使って補修しました。
いろんなパーツが見えますね。
で、患部にアプローチするための切開を行います。
まあ、防水シートをはがすだけですが。
今回用事がある場所には
工具が入るスペースがほとんどありません。
かろうじて指一本で探りながら構造を確かめました。
邪魔なので室内側ドアロックレバーのジョイントを外します。
昔のクルマはこういう仕掛けだからドロボーが針金一本で開錠できちゃったわけです。
ドアキャッチのオス側を外して手の入るスペースを確保しました。
それでも患部に到達できる指は二本だけです。
アクロバットみたいな恰好でひたすらドアハンドルを止めているボルトを回します。
ボディを傷つけないように
知恵の輪を解くみたいに良い角度を探し出し、
ハンドルを外します。
手前が新品、奥が今までついていたもの。
形状は何とか一致していますから大きな加工は必要なさそうです。
普通なら交換するだけでOKなのですが、
鍵が左右で違ってしまうのはカッコ悪いので
パーツを分解して鍵のシリンダーを交換することにしました。
何をするにしても妥協は嫌!
神は細部に宿る。
四角い部分がドア解除のプッシュ部分、
問題のシリンダーはその中に固定されている丸い部分。
コの字型の金具とワッシャーでカチ込まれていたパーツを分離して
鍵のギザギザを検知するための内部を露出します。
6枚の金属板がコンマ5ミリのスプリングで支えられていました。
これを新しいパーツに移植するわけです。
本来はバラしてはいけない部分ですが成功しました。
これはできあがったところ。
新品のハンドルに今までのキーシリンダーが付きました。
四角い部分はプッシュボタン、中の丸い部分が鍵穴です。
あとは再びこの狭い場所に手を入れて
ちまちま元に戻すわけですが
各部品のクリアランスや角度を微調整しないと
ドアの開け閉めやキーロックができなくなります。
これは意外とめんどくさいですね!
ピッカピカのドアハンドル、
しかもキーは左右ともに今までのものが使えます。
男が男らしくカッコつけて生きていられた
古き良き時代のスーパーカー、
初代マセラテイ・ギブリ4.9
1968年型、4930cc
愛称ボギー。
これからも夜な夜な
コツコツなおして
ビンビンのクルマに仕上げます。
おわり。
重い病気の手術の依頼は数多く、毎日行っています。
昨日は眼球を押し出す腫瘍を頭蓋骨から摘出し、義眼を入れました。
今日は腕の骨二本を骨折した子が来ましたので
骨にドリルで穴を開けて合金の板をボルトで締めて整復しました。
で、そんなこんなで病院が終わって真夜中になると
手術着からツナギに着替え、
クルマたちの手術が始まっちゃったりするのです。
はい、今回も仕事とは無関係の話題です。
コーヒーブレイクですから。
先日、愛車たちの仲間入りをした初代マセラテイ・ギブリ4.9は
45年前のスーパーカーですからあちこち痛みもあります。
今日は傷だらけのドアハンドルを交換しましょう。
イタリアから送られてきた新品のドアハンドル、
しかし問題があります。
これをポン付けした場合、
左右のドアでキーが違ってしまうのです。
対策はのちほど。
ドアハンドル関連部品は数多く、
プッシュボタン、鍵部分、室内側ロックレバー、室内側ドアオープナー、
ドアのキャッチオスメスなどがあり、そのバランスはけっこうデリケートです。
ドアの内貼りを外します。
芯に鉄を使っているので重いです、
この時代のスーパーカーは鉄と本革の含有率が高くて
モノとしてのデキが良く、本当に重厚ですね。
プラスチック製のパーツはウインカーレンズくらいです。
内貼りを外してみると早くも問題が!
ドアインナーのウェザーシートがめくれて
パワーウィンドウのギアに噛み込まれていました。
ブチルゴムを使って補修しました。
いろんなパーツが見えますね。
で、患部にアプローチするための切開を行います。
まあ、防水シートをはがすだけですが。
今回用事がある場所には
工具が入るスペースがほとんどありません。
かろうじて指一本で探りながら構造を確かめました。
邪魔なので室内側ドアロックレバーのジョイントを外します。
昔のクルマはこういう仕掛けだからドロボーが針金一本で開錠できちゃったわけです。
ドアキャッチのオス側を外して手の入るスペースを確保しました。
それでも患部に到達できる指は二本だけです。
アクロバットみたいな恰好でひたすらドアハンドルを止めているボルトを回します。
ボディを傷つけないように
知恵の輪を解くみたいに良い角度を探し出し、
ハンドルを外します。
手前が新品、奥が今までついていたもの。
形状は何とか一致していますから大きな加工は必要なさそうです。
普通なら交換するだけでOKなのですが、
鍵が左右で違ってしまうのはカッコ悪いので
パーツを分解して鍵のシリンダーを交換することにしました。
何をするにしても妥協は嫌!
神は細部に宿る。
四角い部分がドア解除のプッシュ部分、
問題のシリンダーはその中に固定されている丸い部分。
コの字型の金具とワッシャーでカチ込まれていたパーツを分離して
鍵のギザギザを検知するための内部を露出します。
6枚の金属板がコンマ5ミリのスプリングで支えられていました。
これを新しいパーツに移植するわけです。
本来はバラしてはいけない部分ですが成功しました。
これはできあがったところ。
新品のハンドルに今までのキーシリンダーが付きました。
四角い部分はプッシュボタン、中の丸い部分が鍵穴です。
あとは再びこの狭い場所に手を入れて
ちまちま元に戻すわけですが
各部品のクリアランスや角度を微調整しないと
ドアの開け閉めやキーロックができなくなります。
これは意外とめんどくさいですね!
ピッカピカのドアハンドル、
しかもキーは左右ともに今までのものが使えます。
男が男らしくカッコつけて生きていられた
古き良き時代のスーパーカー、
初代マセラテイ・ギブリ4.9
1968年型、4930cc
愛称ボギー。
これからも夜な夜な
コツコツなおして
ビンビンのクルマに仕上げます。
おわり。