野村潤一郎 オフィシャルブログ

ザ・ファイター

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これはハラガケガメ(Ciaudius angusstus)というカメの一種です。

カメと言えば「平和主義で無抵抗でのろまでお人好しで」

みたいなイメージがありますが彼はまるで違います。

「好戦的で攻撃的で敏捷で怒りっぽい」

まるで逆なんです。

くちばしを見てください、

普通のカメと違って三叉になっていますね。

まるで二本の牙が後付されたみたいに見えます。

獲物や敵にガッツリと咬みつくための装備です。

もしもこのスーパーウエポンの洗礼を受けたら

肉はこそげ落ち、パックリと割れた傷から血が吹き出るでしょう。

また、特徴的な大きくて真っ赤な目は真正面を向いていて

攻撃対象までの射程距離を計るのに役立っています。

だから触れる際は用心してください、

いいえ、手を出さないでください。

首が長く素早く伸びて鋭いくちばしがぶっ飛んできます。

カメですから一応、甲羅はありますが

大きな頭や筋肉質の手足をひっこめることはありません、

というか、できません。

逃げたり隠れたりする生活を捨てた彼らの背甲や腹甲は、

非常にタイトで小さいからです。

強いから隠れる必要なんかないわけです。

どんな時でも頭や手足は出しっぱなしです。

どこに行くにも堂々とモロ出しなんです。

「俺にかまうな、俺もお前をかまわない、だが手出しをするなら応戦するぞ」

それが勇敢なるハラガケガメの生き方です。

しかも水中を泳ぐ姿は猛々しく、スピード感にあふれ、まるで水虎の様相です。

これを見たら世間一般に浸透している

ステレオタイプな平和なカメさんの幻想は砕け散ると思います。

かといって彼がカメ失格者かと言えば、

そんなことはありません。

どんな生き物も自然界にとって“必要だからいる”のです。

生物圏の中には無用な命は存在しません。

またこの種がひどく変わり者なのかと言えば、それも違います。

むしろカメとはこういうものだ、と決めつけている人たちの方が

無知で傲慢なのだと思います。

まあ人間なんかの甘ったれた価値観やカメの理想像なんか

日々真剣に生きている本人には全く関係ありませんから

ハラガケガメはこれからも今まで通りに

強くカッコよく生きていくのでしょう。

すてきですね!