四リットルの冷や汗
例によって難手術の毎日です。
あちこちの病院を巡った挙句
最後の望みをかけて
野村獣医化Vセンターを選んでくださるのは
プロ獣医師・冥利に尽きます。
難手術は机上の理論なんかでは成功しません。
重要なのは
①経験値の豊富さ(死闘の回数)
②手先の器用さ(遺伝)
③不退転の決意(獰猛さ)
一回の手術で体液とエネルギーを
四キロ消耗することがあり、
私自身が命の危険を伴いますが
頼まれて引き受けたら
成功させる以外の道は無し。
きつくて割が合わないことばかりだけど、
生命を預かる仕事に就いたら
己の基本的人権なんか
主張している余裕はありません。
そもそも楽で儲かる仕事ばかり選ぶ人間は
世間一般的に見れば利口なのかもしれませんが
私から見たらクズですね。
誰かのために闘うことは
とても辛いけれど嬉しいこと。
だから命をばんばん燃やして
自分の寿命が縮んでもいいじゃないか。
来院する動物たちは自分の親だと思え!
命がけで炎の中に飛び込んで命を救う
ぎりぎりの根性を見せてみろ!
それができないなら
こんな責任重大な仕事は
さっさとやめちまえバッキャロー!
誰かを生かすために己の命を差し出す。
そんな自分を皆が必要としてくれる
だから死なずに生きていられる。
矛盾する理論ですが世の中なんてそんなもの。
プロフェッショナルの生き様は厳しいんです。