ステラからお母さまへ
お母さま。
あの日お母さまは
コンビニに行くと言って
病院を出たまま戻って来なかったね。
カルテの住所も電話番号も嘘だったから
病院の人たちはとても困ってたよ。
僕はお母さまを信じて
いつまでも待っていたんだ。
今も毎日毎日、お母さまのお迎えを
待っているんだよ。
病院で生活するようになって
もう半年が過ぎました。
顎にできていた大きな腫瘍は
治してもらったので
ほら、このとおり元気になったよ。
毎日おいしいものを食べさせてもらって
毛並みもフカフカさ。
新しい名前もつけてもらいました。
ステラっていうんだよ。
捨てられたからじゃないんだ。
ステラは遠い宇宙の太陽のことなんだって。
それは自分の力で光る一番明るいお星様なんだって。
とってもとっても強いんだって。
病院の人たちは怒ってなんかいません。
みんな僕に優しくしてくれます。
でもいつの日か、
またお母さまと一緒に
楽しく暮らしたいな。
僕は僕を育ててくださったお母さまを
信じています。
その日が来るのを
いつまでも待っています。
お母さま。
お体に気をつけて
どうかお元気で。
大好きなお母さまへ
ステラより。