野村潤一郎 オフィシャルブログ

ゴリアテ・タイガー



これは“ナイル河の牙”と形容される猛魚、
ゴリアテ・タイガーの子供です。

この種は分類的にはカラコロイドの一族ですが
最大級の大きさと猛スピードが出る遊泳力、
そして魚のそれとは思えない巨大な牙が
カラシンらしからぬ大迫力を醸し出します。

普通の川魚にしか見えない写真のみで成体の威容を
想像しろという方が無理というものでしょうけれど
このチビ助もやがてとてつもない怪物に化けます。

水槽の中では70センチメートルほどで
成長が止まると言われているものの
それでもすごい存在感の個体になるはずです。

シルバーメタリックに輝くボディ、
赤くて大きな尾びれがとても美しいですね。

もっともそんな普通の熱帯魚みたいなことは
本当はどうでもいいんです。

皆さんに見ていただきたいのは
口吻の周囲だけ銀色が抜けて
ソリッドになっているあたりです。

これはぶつけて怪我をしているわけではなく
初めからこういうものなんです。

人喰いモンスターの口の周囲が
牙むき出しの下顎骨のみ、みたいな雰囲気で
すごく異様ですね。

よく見るとまだ小さいものの
鋭い歯がはみ出ています。

この類稀なカッコよさが解るマニアックな人類が
私の非常に広い交友範囲の中でも数人しか存在しない
という事実はかなりさみしいことではあるものの、
実は自分たちの突出した知識段階の先鋭度に対して
優越感を感じたりしてしまうわけです。