ふたつのウルトラ
最近はこの二台の写真機の
出番が多いんです。
鋼鉄製で非常に重く、
難解で操作がしにくく、
構造が繊細で驚くほど壊れやすく、
とにかく全てがどうしようもなく!
何かと汗だくになる写真機です。
使っていてハラハラするこの感覚は
常に死の予感がつきまとう
愛車カウンタックのそれに似ています。
ちなみにマニアの間では
この写真機を使うことを
“修行”と言います。
しかしバッチリ決まると
非常に素晴らしい絵が撮れます。
「ガシャポコン!」と
聞こえるシャッター音と
手に伝わるバインバインした振動も
非常にグロテスクで
気持ちが悪くなるくらいの
快感を与えてくれます。
★写真説明
写真①
1962年フォクトレンデル製。
初代“ウルトラマチック”
一眼レフなのにレンズシャッター。
しかもクイックリターン機構付き。
複雑すぎる超絶メカは正に迷宮で
いい加減な気持ちでいじっていると
フイルム一本撮る間にぶっ壊れます。
大切に扱っていてもやっぱりぶっ壊れます。
これは三台目の個体、現在修理中。
写真②
1965年フォクトレンデル製。
二代目“ウルトラマチックCS”
初代の故障の多さの対策として
クイックリターンを廃止したため
やや壊れにくくなったものの
シャッターを切るたびに
視野がブラックアウトするという
使いにくさのオマケがつきました。
★撮影機材
ライカM9
ローデンストック・ヘリゴン 35mm F2.8