とうちゃんからオスカーへ
四代目ドーベルマン、
その名はオスカー。
小さかったオスカー。
かわいいオスカー。
絵本を読んで聞かせたオスカー。
この世のたくさんの知識を授けたオスカー。
オスだからオスカー。
君は五歳になり、立派な成犬になった。
大きな金玉から出る男性ホルモンは
強い骨格と逞しい筋肉を発達させ
アスリートのように分厚く育ったその胸板の中には
男としての責任感あふれる精神も宿った。
その大砲玉のようなマッシブな肉体は
いかなる曲者にも屈することは無いだろう。
そして私が君に教えた一番大切な事は
男らしさと優しさだった。
どんなことにも怯えず勇敢で、
いつも思いやりの心を持つこと。
心のきれいな人を守り、
弱い犬を守り、
小さな生き物を守り、
可憐な花を守る。
犬族はこの世の善の結晶だ。
仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌
八つの美徳を持ち、生き物の中で最も正義に近い存在。
立派に育ってくれてありがとう。
そしてこれからもよろしく。
征け、愛の助っ人、オスカー。
心に花を咲かす犬。
とうちゃんの誇り。
四代目ドーベルマン戦士。
野村オスカー。
五歳、52キロ。
ここに完成宣言。