野村潤一郎 オフィシャルブログ

ノクチルックスという選択

DSC01162

ブログの写真はどんなカメラで

撮影しているの?

そんな質問が多いので

所有する数多い機体の中から

一番の愛機をご紹介。

これはドイツ製の写真機です。

構造的には距離計連動式と申しまして

五十年以上昔から存在する

光学式ピント合わせ装置を搭載し、

焦点調節はもちろん手動です。

アナログの極みみたいな機械ですが

変にエレキを使っていないから

信頼性は抜群です。

そして肝心なのが装着するレンズの味。

結局のところ写真の仕上がりは

光景を入力する部分によって

決まるわけですから

ここはどうしても

気張らなければなりません。

今回装着しているレンズは

1976年発売の銘玉です。

古いモノなのでオーバーホールに出し、

念入りに調整してもらいました。

よく見るとノクチルックスと刻印されていますが

「NOCT」とは「夜」を表す言葉です。

人間の目とほぼ同じF1.0という明るさなので

薄暗い環境でも速いシャッターが選択できます。

このホディとレンズのセットは

シンプルな道具であるがゆえに

直観的でスピーディな作業に適しているものの

今はやりのハイテク装置は一切ありませんから

ネコが踏んでも写真が撮れる!

というわけにはいかず

きちんと結果を出すために

苦労と緊張を伴う修練が必須であることは

言うまでもありません。

マッチョイズムやダンディズムを重んじる私は

こんなところでもわざわざ自分を

追い込んでいるわけでして…。

私が常に発揮する全てにおける拘りは

専門職に就くプロ魂の象徴でもあり

精神と肉体の損傷及び超再生を

連続的に強いられる過酷な修行の中で

もはや必須とも言える

心の栄養の如きものです。